
1日に始まった米政府閉鎖は終わりが見えないまま、その影響は連邦職員だけでなく観光にも広がっている。首都ワシントンには博物館や美術館が集中し、連邦資金を受ける施設は休館に追い込まれている。
米国立研究機関スミソニアン協会は21の博物館と国立動物園を抱え、年間予算の6割以上を連邦政府に依存している。残余資金をつないでしばらくは開館を維持してきたが、資金が尽きたため12日から臨時休館に入った。
筆者の8歳の息子も、郊外にあるスミソニアン系の航空宇宙博物館へ友達と出掛ける約束を楽しみにしていたが、閉館の知らせで中止になった。近くに住むわれわれの場合は「また行けるよ」となだめることができるが、飛行機で来るなど遠方から計画を組んで訪れた観光客にとっては、この機会は簡単には取り戻せない。
テレビや新聞を見ると、そうとは知らずやって来た家族連れが外からガラス越しに薄暗い館内をのぞき込む様子や、子供たちが肩を落とす姿が報じられていた。この週末の首都中心部は、いつもより人影がまばらだったという。
政治の駆け引きが、一般の人たちの生活にすぐに波及するのは米国らしい光景ではある。それはそれで興味深いことではあるが、入り口でがっかりする家族のことを思うと、もう少し配慮があってほしいと感じる。(Y)





