
自民党の次期総裁候補5人が連立拡大に前向きな中、日本維新の会の強気の姿勢が目立つ。吉村洋文代表(大阪府知事)は連立入りについて「副首都」構想の合意が「絶対条件」という。維新が発表した骨子案は実質的に「大阪都構想」実現を目指すものだ。
副首都構想を巡っては、2005年に推進の議員連盟ができ、11年の東日本大震災以降議論が活発化した。東京への一極集中に歯止めがかからず、その必要性が切実さを増している。
しかし、いざ中央省庁の移転となると、文化庁が京都に移るのが精いっぱいだった。どのような形の移転でも官僚たちの激しい抵抗が予想され、よほど強力な弾みがなければ難しい。
少数与党に転落した自民の足元を見て、維新が連立入りの条件に挙げるようなことがなければ、政府・与党も重い腰を上げない可能性は高い。しかし、副首都という国家のグランドデザインに関わることを政党間の取引材料にするのは、すっきりしないものを感じる。
副首都設置の目的は、緊急時の政府機能の維持や一極集中打破であり、必ずしも大阪でなければならないということはない。東京からの近さでは名古屋など中京圏も有望だし、北九州市は「バックアップ首都構想」を掲げ、バックアップ機能の誘致を推進している。
大阪が最も有望な都市の一つであることは明らかだが、維新はこだわるべきではない。でなければ、大阪以外の地域で支持を広げることは難しいだろう。





