
先日のことだ。農場を所有するブラジルの知人が運転するピックアップトラックの屋根に大きなパネルが取り付けられていたのを見つけた。
荷台に乗ってパネルを確認すると、イーロン・マスク氏のスペースⅩが運用する衛星インターネットサービス「スターリンク」のモバイル用アンテナだった。
知人いわく。スターリンクを導入するまでは、農場で利用できるインターネットは、衛星電話や携帯の3G・4Gサービスが主流だった。速度遅延やデータ制限があり、「ネットになんとかつながる」程度だったというのだ。
ところが、2022年にスターリンクがブラジルに導入されて使ってみると、速度は10倍以上、データ制限なしとすこぶる快適、しかも「スターリンクモバイル」を使えば、クルマの移動中もネットにつながる。
実際、スターリンクのブラジル上陸により、大豆やサトウキビの市場価格がリアルタイムで分かるようになり、収穫や出荷タイミングを見計らいながら利益を上げることが可能になった。
また遠隔地に住む子供たちがオンライン授業を受けることができるようになったり、遠隔治療や専門医への相談ができるようになったりするなど、教育や医療の分野でも大きな変化が生まれた。
さらに、スターリンクは僻地(へきち)の人々にネットフリックスの娯楽やⅩ(旧ツイッター)を通じた情報に触れる機会をもたらした。情報インフラを握るイーロン・マスク氏の試みが、テレビやラジオに情報や娯楽を頼っていた人々に新たな選択肢をもたらそうとしている。(S)






