
5人による自民党総裁選挙ではもっぱら物価高など内政問題への対応が焦点となっている。それはある面致し方ないだろう。与党は衆参両院で少数となり、一部野党との協力がなければ首相指名もおぼつかないからだ。
解散・総選挙の可能性も取り沙汰される中、目の前の国民生活の課題にどう即座に有効な手立てを提示できるか。そんな目算が各候補に共通する。だが、それは野党との協力を前提にすれば方策も大同小異だ。
直近の国政選挙を見ても、自民党から民心が離れその多くが保守色を鮮明にした参政党や国民民主党などに流れた。“総合デパート”を自任してきた自民党の旗幟(きし)を鮮明にした方向性を示さなければ「解党的出直し」をリードするトップたり得ない。
そうした方向性を占う上でも、中長期的な安保外交論議に注目したい。先の「抗日戦勝80年」を記念する軍事パレードで中国の習近平国家主席は「中露朝」の強い連携を演出した。「日米韓」に加え、欧州各国のアジア・プレゼンス強化に対抗した形だ。
気掛かりなのは韓国の李在明左派政権の動向だ。対中国では日米韓の中の“弱い環”となりかねない。こうしたアジアでの新冷戦的構造の台頭に日本の役割が極めて大きい。
日米韓の連携の強化・深化に加え、これを側面から支える欧州各国との安保協力がさらに重要になる。そのためにはハード面の共同訓練、そして情報保全、特にスパイ防止法への対応も喫緊の課題と言える。






