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ランニングクルー

 出勤時の漢江沿いはもちろん、週末や平日の退勤後、町の散策路ごとに色とりどりのランニングウエアを着た人たちが走る姿は日常になって久しい。米国・欧州など西欧圏の風景が、今は韓国人の社会的な現象として定着した姿だ。体力や筋力を付けるのにランニングほどいい運動はない。

 国内でランニングブームが起こった触媒は新型コロナパンデミック(世界的大流行)だ。身体的距離の確保として室内体育施設の利用が難しくなり、できる運動は限られた。金のかかるゴルフと違いランニングは時間・場所の制約がなく、費用もほとんどかからない。

 最近は「ランニングクルー」が大人気だ。5人~20人以上がSNSを通じて出会い、一緒に走りながら動機を与える一種の同好会だ。業界では国内のランニング人口が1000万人を超えたと推測する。スマートウオッチの記録アプリを利用し、団体認証ショットを撮るのが特徴だ。SNSの動画コンテンツとしてもランニングは魅力的だ。

 業界も足早に動いている。ニューバランスはスニーカー売場だった北村店を今年3月、ランニング用品レンタル専門空間に変えた。上下ウエアと特殊素材のシューズをそれぞれ2時間当たり3000ウォン、一般運動靴は2000ウォンで貸し出す。荷物の保管も無料だ。

 石村湖・漢江一帯が「ホットプレイス」として浮上すると、ロッテ百貨店はロッテワールドモール地下1階に1058平方㍍(320坪)規模のランニング専門のナイキ売場を開いた。週1回、蚕室から出発してオリンピック公園一帯を走るランニングクラスと季節ごとにランニング大会を準備できるトレーニングクラスもある。ところが、「過ぎたるは猶(なお)及ばざるが如(ごと)し」と言うではないか。集団で走りながら狭い道路を占領したり、上着を脱いで大声を出すなど迷惑な事例が続出すると、地方自治体が対応に乗り出した。

 ソウルの永登浦区の汝矣島公園には「ランニングクルーNo4」という案内板が設置された。上着を脱ぐ、拍手・歓声、集団で走る、大声で「どけ、どけ」など、四つの行為を禁止する内容が盛り込まれている。ソウル瑞草区は盤浦総合運動場のランニングトラックで5人以上の団体で走ることを全面制限した。松坡区も石村湖の散策路に「3人以上のランニング自制」という垂れ幕を掲げた。自分の楽しみにだけ集中せず、他人を配慮する姿がほしいものだ。

 (9月19日付)

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