トップコラム総裁候補よ日本の未来像を語れ【上昇気流】

総裁候補よ日本の未来像を語れ【上昇気流】

自民党総裁選の候補者(届け出順)

 自民党総裁選に立候補した5人の候補者の演説をテレビの中継で聞いた。それぞれの候補が何に最も力を入れて取り組もうとしているかは分かった。しかし、どんな国家像、未来像を描いているのかイメージの浮かんでこない候補もいた。

 党が直面する課題だけでなく、日本をどうしようとしているかが問題だ。それを最も明瞭に示したのは小林鷹之氏、次に高市早苗氏だった。

 茂木敏充氏、林芳正氏も何となく理解できた。しかし、今のところ最も下馬評の高いと言われる小泉進次郎氏の演説からはさっぱりイメージが湧いてこなかった。

 各候補の演説からは、いま直面している課題への取り組みと共に、長い目で見た国家戦略がそれなりにうかがえる。小泉氏は国民の生活向上に最優先で取り組むとし、物価高対策などを語ったが、長期的な国家戦略らしきものには触れなかった。

 解党的出直し、党内融和を語るのはいいが、各候補の得意な政策分野まで挙げて持ち上げた。自分こそ本命で、それら候補を自分が率いてまとめていくと言っているようにも聞こえるが、ちょっと違うのではないか。網羅的に語られた政策も、新味のないもので変革の力は感じられなかった。一言で言えば内向きの内容に終始した。候補の中では一番若いのに残念なことだ。

演説会のステージの上に掲げられた横断幕には「日本の未来を語れ!」と書かれてあった。5候補には、もっと国の未来像を語ってほしい。

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