
米国では夏になると子供たちが自宅前にテーブルを設置し、レモネードを入れたコップを並べて販売する光景が見られる。子供たちに一種の職業体験をさせるために行われている風習だ。
イリノイ州に住む9歳の少年イーサン君は、その風習をひとひねりして、この「レモネード屋台」の代わりに、「無料で褒めます」という看板を掲げた「褒め言葉屋台」を開いた。人々が近づくと、まずその日の様子を尋ね、彼らのことを知ろうとする。
そして、「そのブレスレットいいね」「その花柄がかわいい」などと褒める。その様子はテレビで取り上げられたが、見ている側も釣られて笑顔になるような、気持ちのいい一場面だ。
すぐに屋台は評判となり、近所の人たちが徒歩や自転車、車などで頻繁に立ち寄るようになった。中には車で1時間かけて訪れたという人もいた。イーサン君はワシントン・ポスト紙に「その人の顔に満面の笑みを浮かべてもらえるような良いものを送りたい」と語っている。
しかし、1時間もかけて来る人がいるとは驚きだ。「お世辞」と分かっていても、誰かを喜ばせたいという子供の純粋な思いに感動するのだろう。
たった一言が、人の心をそこまで温かくできるものなのだと改めて気付かされる。
(Y)






