
プロボクシングのスーパーバンタム級主要4団体統一王者の井上尚弥選手が、世界ボクシング協会(WBA)同級暫定王者のムロジョン・アフマダリエフ選手を判定で退け王座を防衛した。日本選手の世界戦最多勝利記録を26に伸ばし、ジョー・ルイス、フロイド・メイウェザー(以上米国)の史上最多記録に並んだ。
井上選手が「キャリア最大の強敵」と警戒したアフマダリエフ選手はウズベキスタン出身で、2016年のリオデジャネイロ五輪のバンタム級銅メダリスト。ウズベキスタンは昨年のパリ五輪の5階級で金メダルを獲得したボクシング強国だ。
ファンとしては井上選手のKO勝ちを望むところだが、相手の強打とタフさを念頭に判定勝ちを狙い、スピードとテクニックで終始圧倒した。
12ラウンドを終え、顔面に打たれた痕が残るアフマダリエフ選手に対し、井上選手の顔は試合開始当初と変わらない状態だった。連続KO勝利は11で止まったが、見応えのある素晴らしい試合だった。
フットワークを生かし、相手と距離を保つアウトボクシングに徹した。中継を解説した元世界3階級王者の長谷川穂積氏は「この戦い方したら誰も勝てなくなる」とまで言った。最後まで動きを止めないスタミナも驚異的だ。
「倒しに行きたい気持ちはぐっと抑えた。賢いボクシングができると証明できた」。スピードと破壊力で相手をKOする「モンスター」が、今回は別のモンスターぶりを見せつけた。






