
新学年が9月に始まったフランスでは、全ての小中学校の授業でバイリンガル教育が義務化された。直面するグローバル環境で、母国語以外の言語運用能力を向上させることに待ったなしとの判断が下されたからだ。
ところが、準備期間がない性急な導入に、教育現場からは不満の声も聞かれる。義務化することで全国津々浦々の学校で同じレベルのバイリンガル教育の実施が求められるが、肝心の教員の準備は整っていない。さらに都会と田舎で同じレベルの教育実施は難しいのが現実だ。田舎では英語を使う機会も限られる。
そのため、批判する人々は教育機会の不平等が生じる可能性を強く懸念している。これはコロナ禍で自宅からリモートで授業を受けるシステムが導入された際、人口の少ない田舎町では、そもそもWifi(ワイファイ)環境が整っていないためにリモート授業を受けられない生徒がいて、その上、前提となるタブレットが財政上、配布できないケースも出てきた。
フランスでは全ての子供に平等な教育の機会を与えることが憲法上保障されている。そのため、リモート授業導入で政府は批判された。
全国規模でバイリンガル教育を実施するには、学校のカリキュラム、教員研修、インフラ整備の抜本的な見直しが必要だ。都市化が進んでいない地域では、特に資格を有し経験豊富な外国語教員の採用は大きな課題になる可能性がある。今のところ、バイリンガル教育そのものに反対する専門家は少ない。(A)






