トップコラム復興への長い道のり【上昇気流】

復興への長い道のり【上昇気流】

能登半島地震による液状化の影響を受けた家屋の境界を示す住民の男性=5月28日、石川県内灘町

能登半島地震から1年8カ月が経過した石川県輪島市を訪れた。七尾市から車で通常なら1時間少しで着くところだが、のと里山海道は至る所で修復工事のため片側通行となり1時間半近くかかった。

火災で焼け野原となった朝市通りは更地となり、輪島を代表する温泉旅館も閉館が決まった。かつて夏の観光シーズンは大変な賑(にぎ)わいを見せたが、観光客の姿はほとんどない。朝市通りの復活を待つしかない。

輪島の朝市といえば、海女漁のアワビやサザエなどが有名だ。その海女漁も地震で海底が隆起して地形が変化し、さらに昨年9月の豪雨で大量の土砂が流れ込み、海藻やアワビ、サザエなどの漁場が大きなダメージを受けた。

自然には復元力があり、溜(た)まった泥などは流れていって落ち着くのではないかと素人的に想像していたが、そんな生易しいものではないようだ。昨年冬の時化(しけ)の後、調査すると、また泥が舞い上がって海中は視界不良となっていたという。

最大震度7の揺れで、かつては岩に空いた空間から夕陽(ひ)を見ることのできた曽々木海岸の「窓岩」が崩れ、船首に似た形で「軍艦島」の異名を持つ珠洲市の見附(みつけ)島も無残に崩落してしまった。地盤の隆起で使用不能となった港も少なくない。地形や景観まで変わったのである。

それでも、能登半島には豊かな海や山がある。復興への道のりは長いが、他にはない自然の恩恵を生かしていく中で再生への道は開かれるだろう。

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