
東京都三鷹市には畑地が多く、いろいろな野菜を育てている。今、みずみずしい大きな葉を広げているのはサトイモだ。暑さと乾燥への対策のために水を散布している。もうすぐ収穫期だ。
サトイモの葉柄をズイキと呼ぶが、気流子が育った東北地方では、乾燥させたものを水でもどして、煮物などの食材として使っていた。冬の食べ物だ。だがこの夏、田舎から新鮮なズイキを料理したパックが送られてきた。
シャキシャキした食感で、このような食べ方があるのかと驚いた。初夏から初秋にかけてが旬。野草は春が旬だが、夏が旬の野草といった趣だ。春、庭に植えた親芋から葉が大きく育っているので、自分でも試してみた。
レシピ通り、皮をむいて切って鍋に入れ、水に酢を足してゆでて灰汁抜きをするが、うまくいかない。灰汁が残り、食べてみた後、ピリピリした感じが残る。これは研究する余地があると思った。
サトイモの子芋は衣被(きぬかつぎ)といって、昔ながらの食物。どのくらい昔かといえば、縄文時代だという。江戸時代になるとサツマイモやジャガイモが入ってきて主客の座を譲るが、由来の古さを物語るのがおせち料理。中秋の名月にも登場する。
平安時代を舞台にした芥川龍之介の作品「芋粥」は、芋粥を食べたくて仕方がない下級役人の物語だが、ここで使われる芋はサトイモではなくヤマノイモ。ヤマノイモの方が希少だったので登場させたのではないのか。煮れば似たようなものだが。






