
関西電力が美浜原発(福井県美浜町)敷地内での原発新設の方針を明らかにし、地質調査を実施すると発表した。これに対し同町の戸嶋秀樹町長は関電側に了承の意向を伝え、記者団に「議会や町民の声を集約して回答した」と説明した。
地元と事業体の関係がハナから悪くては何事もうまくいかない。「町民の声」はエネルギー需要急増による供給不安、原発回帰への世界的傾向、二酸化炭素の排出がほとんどない、などの原発への理解、周知の結果と見たい。
関電の原発新設に向けた歩みは始まったばかりだが、実現すれば、2011年の東京電力福島第1原発の事故以降、初めて。関電はここで「革新軽水炉」と呼ばれる安全性を高めた次世代原子炉の設置を想定している。
同事故の前、美浜原発のケースではないが、地域の理解が得られず、原発で働いているというだけで一種の偏見を持たれ、職員たちが萎縮していたこと、あるいは職員の息子が学校でいじめられたなどという事例も聞いた。
こういうことは決してあってはならないが、事業体の方も、「原発は国策の一つだ」とばかり、住民の意見を軽んじてはだめだ。技術の改良で、炉心の冷却や反応度の制御ができなくなるシビアアクシデントのリスクは低くなっているが、小さな事故でも情報を住民に開示することが大切だ。
他の産業にも言えることだが、関電も地元住民の生活と共にある原発像を今から準備し、実現してほしい。






