トップコラム都会と田舎の2拠点生活

都会と田舎の2拠点生活

仕事の同僚に、東京の自宅と田舎の実家との2拠点生活を60代の頃から続けている男性がいる。

最初は親の介護が理由だったが、親を看取(みと)ってからは趣味の野菜作りを兼ねて実家と畑の管理を理由に月の半分を田舎で暮らす。豊作の年は丹精込めた収穫物を送ってくる。

もちろん、介護や家の管理を理由に2拠点生活を余儀なくされているわけで、移動の交通費などコスト面を考えると負担は大きいだろうと想像する。

ただ、帰る田舎がない人間から見れば、第2の拠点がある生活はうらやましく思う。

一方、趣味が高じて2拠点生活を始める人もいる。高校の同級生は夫の定年を機に福島会津の山奥に空き家を購入し、食糧難に備えて無農薬の野菜作りを始めた。

春から夏は農作業、冬は雪降ろし。自然相手の山暮らしは長期に家を空けられない。農閑期だけ東京の自宅に戻るという生活を10年以上も続けている。家族の理解あればこその田舎暮らしである。

2022年国土交通省の調査では「二地域居住等を行っている」は全体の6・7%ほど。しかも、その多くは介護や墓参り、親族との交流を目的とする。

ただ、最近は温泉旅館や山小屋の住み込みバイトなど、仕事と趣味と健康を目的とする2拠点居住がシニアに大人気と聞く。

リモートワークが広がり、自然豊かな地方移住への願望は若い世代ほど強い。23年内閣府調査によれば、東京圏在住の20歳代の半数が「地方移住に関心あり」と答えている。

東京は18日以来、猛暑日が続いている。9月以降も厳しい残暑が続き、秋は短いとの予報である。

歳を重ねるごとに酷暑は身に堪(こた)える。2拠点生活への思いは募るばかりだ。

(光)

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