トップコラム東京の路線バスが減便【上昇気流】

東京の路線バスが減便【上昇気流】

「このバスはタクシーではございませんので、手を挙げても止まりません」「(車内は)ごみ箱ではありませんのでお持ち帰りください」――バス運転手の親しみのある声がピンマイクから何度か聞こえてきた。当の客は恐縮しきりだが、ほほ笑ましい。

最近、病院通いの時、利用した東京の路線バス内での光景だ。バスは郊外を走り、時に座席の確保も難しく、沿道には病院や介護関連施設、運転免許試験場、学校や霊園がある。

通勤・通学者、高齢者の足になり重宝される路線バスだが、今春から東京都は都営バスの平日運行で58路線236便を減便して運行するようになった。特に運転手は長時間拘束などの労働環境が一因で敬遠され、その確保が困難な状況だからだという。

また都の人口は2025年をピークに減り、本格的な人口減少時代の到来が予想される。生産年齢人口が減ればバスの利用者減が見込まれ、それを見越しての減便でもある。

一方、高齢者人口は増加しているが、高齢の居住者が多い団地の前の停留所は日中でも人影が乏しく、利用者をあまり見掛けない。高齢になると外出することがぐっと減ってきて早い話、日用雑貨、食材なども電話一本、通販などで賄えるご時世だ。

路線バスには、世田谷から渋谷に出る時など、電車を利用するよりかなり時間短縮される便もある。便数の減少でネットワークの変更などが行われ、使い勝手が悪くなることは避けてほしい。

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