トップコラム出生者数減の三つの理由 フランスから

出生者数減の三つの理由 フランスから

フランスでは戦後初めて死亡者数が出生者数を上回り、人口の自然減が予想されている。この仏国立統計経済研究所(INSEE)の発表は、何が衝撃かと言えば、予想が5年以上早まったことだった。

2010年には1人の女性が生涯に産む子供の数を示す合計特殊出生率が2・03と欧州で群を抜く少子化対策優等国として注目されたフランスだが、予想以上に早く下がった。原因として専門家は三つの大きな特徴的理由を挙げている。

一つは子供を産める年齢の女性人口の減少だ。戦後のベビーブーム期の世代が死亡する時期に差し掛かった一方、今は女性が子供を産むことができる人口が急速に減っている。

二つ目は、出生率上昇に貢献していた在仏アラブ系移民の2世、3世の女性が、フランスに同化し、キャリア重視になったことで、子供を産まなくなったこと。

そして三つ目は、ウクライナ戦争やイスラエルとハマスの衝突が終息する気配がないなど、世界はさらに不安定化する可能性が高いこと。経済不安から社会保障の財源が目減りし、子供を産み育てることが困難になると感じている若者は確実に増えている。

実際、筆者の周りでも、夫は大手航空会社のパイロット、妻はブランドメーカーの管理職という30代カップルが、結婚はしても子供は持たないと言っている。彼らは世界を旅行し、パリの高級住宅地に居を構えているが、子供を産むつもりはないという。進む少子高齢化への施策は全く見えていないようだ。(O)

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