
8月11日「山の日」は、「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」を趣旨とし、2016年に国民の祝日となった。
当初、お盆休みの前日8月12日とする案が採用されたが、御巣鷹山日航機墜落事故発生日と重なる12日はまずいだろうと、11日に見直された経緯がある。
ちなみに「海の日」は「山の日」より20年前、1996年に設けられた。当初7月20日だったが、ハッピーマンデーを適用し、第3月曜日に変更された。
年によって日が変わるのも良しあし。その点、「山の日」は月日固定なので良い。
ただ、8月11日は個人的に違和感がある。登山シーズンの到来を告げる長野県は八ケ岳開山祭は6月1日。富士山の開山日は7月1日。この辺りから、徐々にテンションが上がり、高山植物が一斉に咲く夏山が賑(にぎ)わい始めるからだ。
長野県白馬岳のハクサンイチゲは7月下旬、高山植物の女王・コマクサは八ケ岳辺りで7月中旬から下旬が最も賑わう。
近年は温暖化で平均気温が上昇し、森林限界に生息する高山植物の開花が年々早まっている。
今年7月下旬、花の百名山・秋田駒ケ岳に登ったが、チングルマはワタスゲに変わり、コマクサもほぼ終わり、ハクサンシャジン、トウゲブキが見頃を迎えていた。
8月になると、6日広島、9日長崎の原爆死没者慰霊式、12日は御巣鷹山慰霊登山が続く。慰霊、先祖を悼む気持ちになっても、「山に親しみ、山の恩恵に感謝する」気分にはなれないのである。
近年の低山ブームは山岳信仰に由来する日本人の自然回帰の表れであろう。「海の日」があるなら「山の日」もというのも分からないではないが、独自で「山の日」を制定している自治体もある。国民の祝日としては違和感を拭えない。
(光)






