
イワナとヤマメはサケ目サケ科の魚で成長過程で変身する。渓流のヤマメはメスの大部分とオスの一部が海に下り、サクラマスになる。北海道、東北、北陸でのことだ。
近畿以西ではオスもメスも降海せずにヤマメのまま。ヤマメは12~30㌢、サクラマスは40~60㌢で、見た目も異なり、ヤマメにある小判型の模様はサクラマスにはない。サハリンのような北方では川で生まれた稚魚がみな海に下るのでヤマメはいない。
琵琶湖に注ぐ安曇川にはヤマメの近縁種アマゴがいる。その一部は琵琶湖に下ってマスになる。産卵のために川に帰ってきた時、マスはもはやアマゴではない。一方、琵琶湖に生息するビワマスは秋に川を遡上(そじょう)して産卵し、稚魚は春に湖に戻る。
ビワマスの稚魚はアマゴとそっくり。これらサケ科の分類は生物学者らを悩ませ、今西錦司は釣り体験を踏まえて「イワナ属―その日本における分布」「イワナとヤマメ」「アマゴとマスのあいだ」などを執筆した。
ビワマスはアマゴと同種と考えられてきたが、滋賀県立琵琶湖博物館や京都大などの研究グループは新種とし、学名を付与したと発表した(小紙7月24日付)。
過去に付けられた学名は標本が別の魚だったことが判明。その後は学名がなかったが、今回新たに「オンコリンカス・ビワエンシス」と命名した。アマゴやヤマメと遺伝情報を比較し、交雑がないことを確認。消化器官やうろこの数、目の大きさなど違いを指摘している。






