
ブラジル在住の筆者は「みかん王国」愛媛県の出身だ。実家は、はっさくを作り、みかんは常に「箱買い」が基本。子供の頃から柑橘(かんきつ)類に慣れ親しんできたこともあり、おいしいみかんを目で見ずに手の感触だけで当てることなど造作もないことだ。
そんな幼少期を過ごしてきただけに、海外生活で温州みかんやデコポン、はっさくなどの柑橘類が食べられなくなることには抵抗がある。ブラジルにもオレンジやポンカン(日本のものより糖度が低い)、タンジェリンなどがあるが、生食用として筆者の嗜好(しこう)には合わなかったのだ。
そんな中、しばらく前に出合ったのが「ムルコテ」というオレンジとみかんの交配種だ。見た目や大きさはオレンジに近く、ジュース用の柑橘類だと思い込んで買うことがなかった。しかし、先日スーパーの特売品だったことから、大量に買い込んでみた。
家に帰り、試しに厚めの皮をむいて食べてみたところ、みかんに近いしっかりした甘みとジューシーさに驚いてしまった。愛媛の名産品「せとか」を思い出させるおいしさなのだ。「せとか」もみかんとオレンジの交配種だと聞く。
なぜもっと早く買わなかったのかと後悔したが、それよりも「故郷の味」を思い出させてくれる「ムルコテ」に出合えたことを感謝したい。ムルコテが出回る時期は6月から9月、今では常備食の一つとしてまとめ買いの対象となっている。
ちなみに、がっつりと甘いムルコテは、わが家の子供の大好物。食後に食べることで、子供たちが加工系の甘いお菓子を食べる機会が減ったことは「ムルコテ」効果の一つだ。(S)






