
ロシア・カムチャツカ半島沖の地震では気象庁から津波警報が出されたが、人々の反応や素早い避難行動は評価に値する。ただ高台への避難の際、慌てて自動車事故を起こし亡くなる人が出るということもあった。
2011年の東日本大震災における津波の映像などを見て、多くの人が自分も被害に遭う恐れがあると極めて深刻に捉えた、その時の記憶があったのではないか。警報が出されると即、体が反応したのだろう。
これに対し去年8月、宮崎県沖の日向灘でマグニチュード7.1の地震が発生し、気象庁が出した「南海トラフ地震臨時情報」の場合はどうだったか。この情報が訴えた内容は「地震発生後の避難では間に合わない可能性のある住民は事前避難」だった。
しかし内閣府がその後、全国707市町村にアンケートしたところ「対応に戸惑った」「何をすべきかすぐには分からなかった」という回答が合わせて8割近くに上った。
気象庁の観測体制は、地上だけでなく気象衛星を使って周到だ。ただ、そのデータをまとめ、どの地域、誰を対象にどういった行動や準備を求めて発信するかはまた別な知恵が必要だ。
南海トラフ地震臨時情報では、終戦前後に発生した2度の南海トラフ地震の体験、記憶を持つ人はごくわずかだったこともあり、先般の津波警報への反応とはずいぶん違った。今後起こり得る「複合災害」などに対する防災情報をどう知らせるか、熟慮すべきところだ。






