トップコラム悩ましい「国連都市」改修費 オーストリアから

悩ましい「国連都市」改修費 オーストリアから

アルプスの小国オーストリアの首都ウィーンのドナウ沿いには国連都市がある。イランや北朝鮮の核開発問題でメディアに頻繁に登場する国際原子力機関(IAEA)の他、国連薬物犯罪事務所(UNODC)、包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)準備委員会などの専門機関が入っている。ウィーンっ子は「国連シティー」と呼んでいる。

国連都市は、ウィーンが土地を提供し、1973年から79年にかけ、オーストリアの建築家ヨハン・シュターバーの設計に基づいてドナウ川沿いに建設された。当時は非常にモダンな建物で目を引いたが、建設から45年以上を経て、改修が必要となってきた。問題は、その改修費を誰が払うかでホスト国オーストリア、ウィーンと国連機関の間で協議を重ねているが、合意できずにいる。

ニューヨークの国連本部やジュネーブの欧州本部とは異なり、ウィーンの国連都市の建物はオーストリアの所有だ。その建設費用は当時、オーストリアとウィーンが負担。誘致された国連機関は年間、28セントという象徴的な賃料を払えばいいだけだ。

問題はメンテナンス代だ。必要な改修工事については、国連機関とオーストリアが半々で分担することで合意してきたが、上限を超過する場合、誰が支払うかが問題となる。国連側も経費節約モードだから、予算以外の費用を工面することは容易ではない。イランの核問題やウクライナ戦争で国連の紛争解決能力のなさが明らかになった今日、国連機関に多くの資金を提供する加盟国は少ないのだ。(O)

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