
4年ぶりに東西の両横綱が揃(そろ)い、IGアリーナ(愛知国際アリーナ)のこけら落とし場所としても注目された大相撲名古屋場所。終わってみれば賜杯は平幕琴勝峰が手にしていた。
横綱豊昇龍が5日目から休場、新横綱の大の里も13日目に琴勝峰に敗れて優勝戦線から脱落。そういう点では期待外れのところも多かったが、新鋭力士の活躍が最後まで場所を沸かせた。
特に注目されたのは、ウクライナ出身の安青錦。低い前傾姿勢で踏み込み、その姿勢を崩さない。相手は上体を起こそうと必死に突っ張りなどを繰り出すが、いつの間にかまわしをつかまれ土俵の外へ。
驚異的な体幹と足腰の強さはレスリング仕込みだ。9日目に若元春を下手ひねりで破った時、NHKテレビで解説を務めた元大関・琴風浩一さんは「末恐ろしいですよ」と言い、11日目に曲者(くせもの)の阿炎を下した時も「末恐ろしい力士ですね。上位の力士は油断してるとススーッと先に大関になられてしまいますよ」と舌を巻いた。
しかし琴勝峰と優勝を懸けた千秋楽の取組では、あっけなく突き落としで敗れた。それまでとは違い、優勝を意識してか体が固まっているような感じだった。
一方、勝利しても表情一つ変えない琴勝峰はまさに平常心。2年半前、大関貴景勝と千秋楽で優勝を争い敗れた経験が生きた。もともと大器と言われた力士で、これからが楽しみ。新入幕で優勝争いに絡み、敢闘賞と技能賞を受賞した草野も末恐ろしい力士だ。






