トップコラムH2AからH3へ移行【上昇気流】

H2AからH3へ移行【上昇気流】

鹿児島県・種子島宇宙センターで打ち上げ準備作業が進むH2Aロケットの最終50号機。右下のロゴには一般から応募があった2245件の応援メッセージが印字されている(JAXA提供)

この20年以上わが国の主力ロケットとして数々の人工衛星を宇宙に運んできたH2Aロケット。しかし最近の衛星は大型化し打ち上げ能力や高価格が問われ、約半額の打ち上げ費用を目指すH3ロケットに移行されることになった。なかなか感慨深い。

糸川英夫が実験室でペンシルロケットに取り組んだのが戦後のロケット開発の端緒。その後、宇宙開発事業団(NASDA)が生まれたが、幹部から「国の威信を懸けロケット造りをしている」という言葉をよく聞かされた。宇宙開発は科学技術で国力を見極める手段だった。

後身の宇宙航空研究開発機構(JAXA)による基幹ロケットH2Aは2001年から50回の打ち上げで失敗は1度だけ、世界最高水準の信頼性を保ち欧米先進国に伍(ご)するまでに。国民も五輪で金メダルを取った時のような気分だった。

ただしこの間、1回1回の打ち上げに国家戦略や中長期的視点がやや欠けていたのも事実。そこで従来の優れた技術継承とともに低コスト、大推力の課題に挑み、14年から始まったのがH3の開発で先日には6号機の燃焼試験も行われた。

幸い今、民間企業でも宇宙開発熱が高まっている。アイスペースは月面着陸を2回試み3度目の挑戦をうかがう。ロケット部品改良を手掛ける町工場レベルの企業も少なくない。

知恵を出し合い官民一体の技術開発を進め、H3で世界の衛星打ち上げ市場のシェアを獲得し、成長産業にしていきたい。

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