トップコラム結婚しないカトリック大国 フィリピンから

結婚しないカトリック大国 フィリピンから

カトリック信者が国民の大多数を占め、離婚さえ認められていない保守的な国フィリピン。しかしその一方で、婚前交渉は「恥ずべきこと」という建前はすっかり形骸化し、若いカップルは、結婚より同棲(どうせい)や事実婚を選ぶ時代になっている。

政府当局のデータによると、1993年に5%だった同棲カップルの割合は2022年には4倍に増えた。婚外子は80万人に達し、正式婚で生まれた子供(60万人)を上回った。

さらに若い世代では、経済的負担を避け、レジャーを優先し「子供よりペット」「まずは旅行」という意識が強まっている。ベビーカーに犬や猫を乗せて歩くカップルの姿も珍しくなくなった。

今の状況からは想像しにくいが、30年までに少子化が進み、高齢化社会に移行していくとの見方もある。かつてフィリピン人の幸せの象徴だった「大家族」にも確実に変化の兆しが見え始めている。

離婚が認められない保守的な国だからこそ、結婚を避ける若者が増えているという皮肉は、生涯独身が増えている日本の現状ともどこか重なる。フィリピン人のZ世代が親になる頃、にぎやかな大家族は遠い思い出となってしまうのか。家族や生活のスタイルは国境を超えて似た姿に変わっていくのかもしれない。

(F)

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