経歴詐称が話題になることが時々ある。文芸評論家江藤淳(1999年没)のケースは、死後に公になった。本来は32年生まれだったのに、33年生まれとしていた。1歳若く見せていたことになる。
最初に江藤の著作を出版した無名の出版社が著者の生年を間違えたことが原因だった。本人は自身の生年は分かっているのだから、その後は正しいデータを表記すればよかったのに、放置したというのが真相だ。
著述家では、今から40年ぐらい前まで「早稲田大学中退」という経歴が書かれているのに出会うことが多かった。「中退」は本人の意思によるもの、「除籍」は大学側の意向と言われるが、退学なのか除籍なのかもよく分からない。一般には、退学は大学での経歴(学年・単位)が残る。除籍の場合は名簿からその名前も除かれるということのようだ。
大学名だけが記されていて、学部も学科も分からない場合、「本当に入学したのだろうか?」とも思うが、相手は有名人ではあっても公人ではないのだから、あえて確認しようという出版社やメディアもいない。
「早稲田大学中退」という経歴のまま死んでしまって、それで終わりということも多かった。もちろん、早稲田以外の大学のケースもあった。
自身の経歴については、「〇〇は記しておきたい」という場合もあり、「××は知られたくない」ということもある。経歴詐称をすべきでないのは当然だが、息苦しく感じることがあるのも確かだ。






