トップコラム納涼花火に「平和」想う【上昇気流】

納涼花火に「平和」想う【上昇気流】

言いたくないが、この猛暑。世界的にも、例えばスペイン南部では地中海からの熱波もあって連日40度超えという。熱中症で死者も相次いでおり、この対策はいずこも同じだ。

季節の宿命といえばそれまでだが、やはり納涼花火にしばし逃げ込むしかない。本格的な打ち上げ花火は江戸幕府8代将軍徳川吉宗の隅田川が始まり。諸説あるが、慶長19(1614)年8月、たそがれ時に江戸城二の丸から打ち上げられた花火が江戸最初の花火とされ、当時長崎から来た花火唐人が腕を誇ったという(『武家編年事典』)。

知人に誘われ、近くの府中花火大会に出掛けた。別名「東京競馬場花火」で、レース場の観客席や芝生席から間近に眺める百花繚乱(りょうらん)の花火は格別。

周りを見ると中国人はじめ外国人も多く歓声を上げていた。知人の韓国人によると、韓国での花火はもちろん人気だが、激しく連続的に打ち上げ、いわば迫力が勝負。華やかさと空間の調和、余韻を愛(め)でる日本との違いも国民性に表れているのだろう。

一方で水を差すようで恐縮だが、花火の軌跡や夜空に映えた「割物(わりもの)」によっては、イラン・イスラエルの戦闘で夜空に閃光(せんこう)が飛び交うテレビ映像とダブって見えてしまう。

古来、日本では飢饉(ききん)や疫病、災害で多くの犠牲者が出た。その慰霊や災厄退散のため各地では水神祭が行われ、その際に花火が打ち上げられたのが起源という。人々の安寧と平和を希求する花火の精神を大事にしたい。

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