
チベット仏教を「一種の国際宗教」と呼んだのは仏教学者の中村元で、モンゴル、中国の内モンゴルや東北地方、インドのシッキム、ブータン、ネパール、さらにロシアまで広がっているからだ。
ダライ・ラマ14世は1967年、初来日した時、中村との対談で「わたしがつねに誇りに思っておりますのは、仏教に関する限り、チベットは、もっとも完全なかたちで原型が残されているところ」と語った。
この対談は某テレビ局で録画、放送されたが、主要な部分がカットされたため、中村はテープから再録して著書『チベット人・韓国人の思惟方法』に掲載。対談ではダライ・ラマが受けた教育について語っていた。
今月6日は、このチベット仏教最高指導者の誕生日。インド北部ダラムサラで行われた、チベット亡命政府主催の祝賀式典に臨んだ。90歳の高齢だが側近に支えられながらも自ら歩き、健在ぶりを示したという。
これに先立ち、後継問題に関するビデオ声明を発表。自らの死後に生まれ変わりを探す「輪廻(りんね)転生」に基づく後継者選定制度の継続を確約した。アジアの仏教徒らからは制度の存続を望む書簡が届いていた。
チベットという不毛の高原で形成された独自の宗教文化だ。後継者の探索は神卜(しんぼく)や啓示によって行われ、見つけ出された嬰児(えいじ)は試験される。英仏合作の映画「リトル・ブッダ」はこの主題を巡るドラマだったが、超越世界への信仰は西欧人らをも魅了していた。






