
「魚べい」や「うな釜」などで知られる元気寿司が先月下旬、ホーチミン市にベトナム1号店を開業した。
元気寿司は昨年、タイでもバンコク店をオープンしたばかりで、東南アジアではインドネシアを含め3カ国に進出したことになる。
元気寿司のモットーは地域密着型。そのブランドにふさわしく、ホーチミン店でも握り寿司や巻き寿司、押し寿司といった日本の伝統的な寿司だけでなく、ベトナムのライスペーパーを使った春巻き風「寿司ロール」も提供する。
日本の寿司をただ上意下達式に伝えるだけでなく、地域性を取り入れた融合食を打ち出して海外に溶け込んでいく姿勢には納得だ。
明治時代、わが国にパン食が入った際、一気に市民権を得るようになった契機は、麹(こうじ)を使って発酵させたアンパンだった。わが国には味噌(みそ)や醤油(しょうゆ)など、麹を使った発酵食品がたくさんあり、その麹を使ったパンなら舌が違和感なく受け入れられることになった経緯もある。
寿司と言えば、ヘルシーな日本食の代表であり、それだけで十分人気は出そうだが、あえてベトナムのライスペーパーを使ったロール寿司を考案したところがいい。
揚げ春巻きがあるように、そのうち、中に新鮮な寿司ネタやアボカドなどが入った寿司版揚げ春巻きも出てくるかもしれない。
なお出店は首都ハノイではなく商都ホーチミン市。ダイナミックな成長を続けるハノイも随分、需要があると思うが、やはりホーチミンの活力にはまだ追い付いていないもようだ。(T)





