トップコラムポーラ美術館の遊歩道【上昇気流】

ポーラ美術館の遊歩道【上昇気流】

ポーラ美術館 入口

神奈川県箱根町の仙石原にポーラ美術館がある。仙石原には箱根湿性花園をはじめ多くの観光施設があるが、この原の広い平地にではなく、南西にそびえる台ヶ岳と小塚山の間の森の中に同美術館がある。

仙石原と強羅を結ぶバス路線が通っているが、交通の便がいいとは言えない。だが森の中のロケーションといい、斜面を生かして建てられた魅力的な建物といい、よくぞ建てた、と感心するばかり。

現在、「ゴッホ・インパクト―生成する情熱」展が開催中だ。だが以前、この美術館を訪れた時、見逃したものがあって、ゴッホよりも興味はそちらに向いた。建物の外にある森の遊歩道だ。

森を見て歩きたかったのだ。そこはブナ林で、ホオノキ、ニワトコ、ヤマボウシ、リョウブ、ミズナラなどが生えている。が、最も際立って視野に入ってくるのはイヌブナとヒメシャラの大木。

低木、亜高木は少なくて、踊るように枝を広げたイヌブナと、すっくと立ったヒメシャラの大木ばかりが目立つ。地面には日が差さないが、斜面や谷の広々とした空間を遠くまで見通すことができる。

ヒメシャラの樹肌は黄赤色でつるつるしていて華やか。ツバキ科の落葉高木で、ナツツバキに似た白い花を咲かせる。花の季節なのだが葉も花も梢の方にあってよく見えない。イヌブナと兄弟のように並んでいる取り合わせは、箱根で見るのが初めて。ゴッホを見に来た同行者らは、森には興味がなかったようだ。

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