トップコラム閣僚たちの人種差別問題研修 フィンランドから

閣僚たちの人種差別問題研修 フィンランドから

閣僚らを対象とした人種差別反対研修がこのほど企画された。幸福度がトップのフィンランドでも、人種差別問題は大きな社会問題となっている。特に、閣僚たちが何気なくソーシャルメディアで発信する言葉の中に人種差別用語が含まれており、メディアによる批判の対象となっていた。

興味深い内容としては、「フィンランドにおける人種差別に関する三つの神話」と題したプレゼンだ。一つ目は、「フィンランドは単一民族」というもの。グローバル化が進みつつある世界において、単一民族という狭い概念を維持し続けていることが、人種差別につながっているという指摘だ。

二つ目は「社会においてすべての人は平等に扱われている」。残念ながら社会においては、すべての人は平等に扱われておらず、「人種差別は簡単に行われている」と指摘している。例えば、外国人名を持つ求職者は、面接の招待状を受け取る可能性が極めて低く、フィンランド人名を持つ人と平等に扱われていないという。

三つ目は、「フィンランドには人種差別は存在しない」という神話。アフリカのナイジェリアから来た知人が、移民が体験する人種差別問題は深刻だと言っていたのを思い出した。

参加した閣僚らの研修に関する感想はおおむね肯定的だが、極右派で反移民を訴えているフィン人党の閣僚らは、「何を本当に学んだかどうか分からない」などと述べ、研修の意義と効果には疑問が残る。(Y)

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