
さる6月4日は、中国で学生らの民主化運動が武力弾圧された天安門事件のあった日。1989年のことで36年前になるが、風化することがないのは中国共産党の脅威が弱まらないためだ。
この日都内で抗議集会が開かれ、在日ウイグル人や南モンゴル出身の人権活動家らが出席して国際社会の連帯を求めた(小紙6月5日付)。ウイグル人も南モンゴル人もその固有の文化が抹殺されてきた民族。
日本ウイグル協会のレテプ・アフメット会長は日本政府に向けて「黙認は加担だ。中国への『ジェノサイドを続けてもよい』という誤ったメッセージを送ることがないよう、外交に取り組んでほしい」と訴えた。
昨年10月、ウイグル難民支援基金のイリハム・マハムティさんからウイグル文化が抹殺されていく様子を聞く機会があり、弾圧の徹底ぶりに驚いた。このようなことが現代にあり得るのかと。
強制収容所には300万人ものウイグル人が収容され、待つのは死。収容所は「職業訓練センター」と呼ばれる。男性は150万人が甘粛省などに移動させられ、残された女性の家には漢人が同居。
裾の長い民族衣装は鋏(はさみ)で切られ、人口増加を止めるべく女性は不妊手術を施された。モスクは解体され、コーランは燃やされた。中国憲法では「宗教信仰の自由」を保障しているが、実際は厳しく規制されている。二枚舌で、イリハムさんによれば「きれいな憲法は守るものではなく、飾り物。外に見せるもの」。