
ブラジルは中南米のB2C(一般消費者向け)電子商取引の約42%を占めるオンラインショッピング大国だ。
日用品から薬、不動産まであらゆるものがオンラインで販売されており、昨年の市場規模は528億㌦(約7兆6500億円)に達した。今後5年間の年平均成長率も世界最高の18・9%が予想されている。
筆者もオンラインショッピングを愛用しており、これまではトラブルらしいトラブルに遭ったこともなかった。もちろん、届いた商品に問題があったことは何度もあるが、全て日本のカスタマーサービスも驚くほどの迅速な対応に助けられてきた。
特に感心したのは、ブラジル最大のオンラインショッピングサイトでもあるメルカド・リヴレ・ブラジルだ。アルゼンチン発の中南米最大のショッピングサイトで、豊富な商品の取りそろえやオンライン銀行と連結したキャッシュバック、映画・音楽サービスを含む豊富なプレミアム会員向けの機能が人気だ。
筆者の子供がこのサイトを通じて個人から中古のPCパーツ(マザーボード)を買ったことがあるのだが、届いた数日後に不調になった。不良品を疑って作動中の動画などを送ると、数日後には訴えが認められて返金処理が行われた。
もちろん、全てのブラジルの企業が同様のカスタマーサービスを誇るわけではないが、苦情を訴える消費者と企業をつなげるサイトの存在やプロコンと呼ばれる消費者保護の監督官庁の存在が消費者利益を支えており、オンラインショッピングの利便性を高めている。(S)