先日、天皇皇后両陛下と愛子内親王殿下が、戦後80年を迎える沖縄を訪問された際、かつて「豆記者」として活動した学生たちと再会された。
豆記者は、沖縄の小中学生が記者として夏休みに東京で取材体験をする制度で、1963年に上皇陛下御夫妻が沖縄の豆記者たちと交流を始められたことがきっかけで、定期的に交流が続けられている。
豆記者と皇室との交流は多岐にわたる。上皇陛下御夫妻は静養先の軽井沢や、お住まいの東宮御所に豆記者を招かれ、豆記者たちは沖縄の舞踊などを披露した。
その関係は両陛下に引き継がれ、60年以上たった現在も交流が重ねられている。両陛下の希望で愛子内親王殿下は幼い頃から豆記者たちとの交流会に同席されてきた。2016年には、当時中学3年生になられた愛子内親王殿下が、同世代の豆記者たちとバレーボールをして交流されている。
先日の那覇市内での天皇御一家との懇談会には、現役の豆記者と経験者ら8人が参加した。両陛下と愛子内親王殿下は笑顔で思い出話をされながら、豆記者ら一人一人の学校生活や今後の進路などを尋ねられたという。
9年ぶりに愛子内親王殿下と再会した金城若葉さん(22)は交流後、報道陣の取材に応じ、愛子内親王殿下から「まだバレーが好きなんです」「またしたいですね」と声を掛けられたと明かし、「(天皇御一家が)こんなにも沖縄のことを思って(豆記者交流を)長く続けてくださることがありがたい」と感謝の思いを語った。
上皇陛下御夫妻から始まった沖縄の豆記者との絆を、世代を超えても途絶えることなく引き継がれようとされる天皇御一家の姿勢は、まさに「皇室が沖縄に寄り添い続ける」ことの何よりのメッセージとなっている。
(K)