
トランプ政権がハーバード大学に対して留学生認定資格取り消し措置を取ったことからハーバード人材の争奪戦が始まった。
今回の措置を歓迎する中国は早々に「香港やマカオの大学にハーバード大学の留学生を無条件に受け入れる」と宣言させた。
日本は東京大学、京都大学、大阪大学などが留学生や研究者を一時的に受け入れる方針を発表した。
日本の国立大学に世界から優秀な人材が来てくれるのは歓迎すべきことだが、大阪大学医学系の学科などは国籍を問わず、100人ほど受け入れるとしている。
日本学生支援機構の最新データによると、2024年度の外国人留学生は円安効果で前年比21%増の約34万人と過去最多。中国人留学生が約12万3000人と全体の4割弱を占めた。
今年3月24日、参院外交防衛委員会で留学生問題を取り上げた有村治子議員によると、東大、京大、東京科学大、東北大の4大学の中国人留学生は24年度留学生全体の約6割。多額の研究助成金が投入されている東大は中国人留学生67%と最も高い。
有村氏が問題視するのは、科学技術振興機構「次世代研究者挑戦的研究プログラム」として、年間最大290万円、4年間で1000万円超の支援金が中国人留学生3000人以上に給付されていることだ。
近年、中国内の受験競争を避け、日本の高校から難関大学を狙う中国人が増えている。千葉県の鴨川令徳高等学校は生徒の半数、岡山県の朝日塾中等教育学校は3割が中国人である。
東大の学費(年間授業料53万5800円)はハーバードの年間約900万円と比べたら桁外れに安い。「日本の大学はコスパがいい」と、中国人留学生専門の大学予備校が大盛況と聞く。政府は外国人留学生を40万人まで増やすというが、これ以上中国人留学生が増えて日本は大丈夫なのか。
世界ランキングが気になるトップ大学に安全保障上の危機感があるのだろうか。
(光)