
「紫陽花(アジサイ)の色に省略なかりけり」(津村典見(のりみ))。梅雨間近になり、アジサイの花を時々見掛けるようになった。梅雨の季節には、京王井の頭線沿線では青や赤の色彩が目にまばゆく映って印象的だ。
自宅近くを散歩すると整備した公園があって、グラウンドと遊具、上り下りできる芝生の小山が備わっている。当初、あまり利用者がいなかったが、最近では子供連れの家族、サッカーなどをしている子供が多い。
公園の傍(そば)には木や草が植えられて、この時期、緑が鮮やか。何気なく通っていたが、木に白いプレートが添えられている。そういえば、公園や公共施設の傍の樹木には名前を書いたプレートが付いているのをよく見る。
「サカキ」とある。漢字で「榊」と書くように、神事に主に使われる木である。結婚式や安産祈願などで、神に奉納する玉串に用いられる。名前の由来は、神と人の境にある木という説もある。
サカキを見るのは珍しいので、しばらく観察していた。花が咲く前の小さなつぼみが垂れている。都会に住んでいると、自然が少ないと思い込んでいるが、案外、草花が豊かだということに気付く。
この時期には、ドクダミの花があちらこちらに咲き誇る。名前だけを見ると毒草のようなイメージだが、実際は薬草で「十薬(じゅうやく)」とも呼ばれている。殺菌や利尿、動脈硬化予防などの効果があるという。独特のにおいのため敬遠されがちで、除草されてしまうことが多いのが惜しまれる。






