韓国紙セゲイルボ・コラム「説往説来」
英国と米国が1943年、北大西洋で連合軍の輸送船を狙っていたドイツ潜水艦「Uボート」に重大な打撃を加え、制海権を取り戻したのは海軍力のおかげだった。大西洋を通る海上輸送路を確保できるようになると米国産軍需品が大挙ヨーロッパに向かい、第2次世界大戦の均衡軸は完全に連合軍の方に傾く。海軍力の象徴である航空母艦の役割も欠かせない。米エール大学歴史学科教授ポール・ケネディが2022年に著した『大海戦最強国の誕生』(韓国版表題、原題Victory at Sea)の内容だ。
23年下半期からイエメンの親イラン武装組織フーシ派はパレスチナとの連帯を名分に紅海で船舶攻撃や商船拉致など、前例のない海上テロを行った。今年3月にはフーシ派がドローン(無人機)などを活用して米空母「ハリー・S・トルーマン」と付属軍艦を攻撃したりもした。米軍は被害がなかったと表明したが、ドローンを動員した空母攻撃には舌を巻かざるを得なかった。低費用・高効率のドローン攻撃が国家レベルの対応を要求し、脅威の完璧な除去もまた難しいという事実を認めざるを得なかった。さらに、電波妨害(ジャミング)を避けることができる人工知能(AI)ドローンまで開発されたところではないか。“不可侵”空母時代を続けていくこともたやすくないことだ。
5月28日、釜山BEXCO(べクスコ)で、「2025国際海洋防衛産業展(МADEX・マデックス)」が開かれた。今年14回目を迎えたマデックスは14カ国約200の企業・機関が参加して約700のブースを設置したという。歴代最大規模だ。高まったK防衛産業に対する世界的な関心を確認する契機だ。今回のマダックスにおいて関心が集中したのは、無人艦艇だった。人間の搭乗者なしで、遠隔操縦で自律走行する艦艇だ。無人機に続いて新しい時代への進化だ。
HD現代重工業は、未来型無人艦艇のコンセプトモデルを公開した。1万5000~3万2000㌧級で遠隔操縦でき、攻撃型の固定翼無人機などの艦載機も登載される。ハンファオーシャンはAI無人潜水艦を、ハンファシステムは無人艦艇を地上で統制するAI基盤のスマートバトルシップソリューションを披露した。LIGネックスワンもステルス機能を備えた中型クラスの戦闘用無人艦艇モデルを公開した。すべてK防衛産業の未来だ。われわれの海を守ることでもある。
(5月30日付)
※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。
「セゲイルボ」