トップコラム知られざる「国道58号」の秘密【美ら風】

知られざる「国道58号」の秘密【美ら風】

沖縄本島を横断する国道58号は、沖縄の大動脈として県民の生活や観光産業を支えている。県内各地のお土産品店には、58号線のロゴが刻まれたシールやキーホルダーなどのグッズが数多く並んでいることからも、多くの人に愛される道路であるといえる。

「ゴーパチ」や「ゴッパチ」などの愛称で親しまれる58号線が、実は「海上国道」であることは、県民の間でもあまり知られていない。那覇市の明治橋付近から北部・やんばるの辺戸岬までを結ぶ道路であると思われがちだが、実際には奄美大島、種子島、鹿児島市までを海で結ぶ海上国道なのだ。

もちろん海の上に実際に道路が整備されているわけではないが、島々をフェリーなどで結んだ総延長880㌔のすべてが国道58号と定義されている。

そんな58号線のルーツは戦前の「国頭(くにがみ)街道」にさかのぼる。1915(大正4)年に、那覇から今帰仁(なきじん)を結ぶ主要道路として整備され、太平洋戦争後は、米軍が軍事目的で整備し「軍道(旧琉球政府道)1号線」として使用された。その後、72年の本土復帰とともに「一般国道58号」に指定され現在に至る。まさに58号線は、沖縄の近現代史を体現する道路といっても過言ではないだろう。

先日、友人から国道58号にまつわる面白い「都市伝説」を耳にした。58号線沿いの飲食店や商業施設には自由の女神像が7体存在し、すべてを見つけることができれば幸せになれるというものだ。この話を聞いてから、意識しながらドライブしてみたところ、今のところ3体までは発見することができた。

ちなみに58という番号が県の名産品ゴーヤーに由来するとの説もあるようだが、残念ながらこれは偶然の一致だとされている。

(K)

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