
「横綱の地位を汚さぬよう稽古に精進し、唯一無二の横綱を目指します」――。第75代横綱となった大の里の伝達式での口上は、大関昇進時と同じ「唯一無二」が使われた。この4文字にはいろんな思いが込められていそうだ。
当初は入れない予定で考えていたが、考えた末に「この言葉がぴったりだなと思って入れた」と明かしている。一つには、自分らしさを大切にしたいという現代日本の若者の価値観がうかがえる。
ただ、SMAPのヒット曲「世界に一つだけの花」のように「NO,1にならなくてもいい」という気楽なものではない。綱を張るというのは、番付通り常にナンバーワンの内容が要求される。
「唯一無二の横綱」と言うからには、これまでの歴代横綱を超える高い目標を見据えているようにも思われる。本人にそんな思いがなかったとしても、ファンとしてはそう解釈したくなる素質を持っている。米大リーグの二刀流、大谷翔平選手のように、これまでの角界の常識を超える強さと活躍をと期待が膨らむ。
大の里と同じ石川県出身の横綱輪島は、学生相撲出身や、下手投げを得意とする力士は大成しないといったジンクスをことごとく打ち破った。
大の里は輪島に続く学生相撲出身の2人目の横綱だ。しかし大の里は「天才」と言われ稽古好きでなかった輪島に対し、師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)も認める努力家。郷土の先輩横綱を超えるスケールの活躍が期待される。






