トップコラム加速する温暖化と水危機 メキシコから

加速する温暖化と水危機 メキシコから

メキシコは今、深刻な環境問題にさらされている。温暖化の加速とかつてない規模の水不足が同時に進行しており、これらは不十分なインフラと水資源の管理の失敗によってさらに悪化している。

他の地域と比べて、メキシコでは気温の上昇がより速いペースで進んでいることが分かっている。メキシコ国立自治大学の最近のデータによると、産業革命前と比べてメキシコの気温は1.8度上昇した。

2024年はメキシコの観測史上最も暑い年となり、国全体の平均気温は過去の平均より2.14度高くなった。25年にはさらに状況は悪化し、各地で45度を超える猛暑が記録されている。これは人々の健康だけでなく、農業、生態系、水資源にも深刻な影響を及ぼしている。

また、23年以降、深刻な水不足が続いており、農村部だけでなく都市部でも大きな影響が出ている。24年初めの時点で、全国の61.5%の自治体が何らかの干ばつの影響を受けたという。

国内最大級の都市圏、メキシコ盆地では、1人当たりの水の利用可能量が05年の191立方㍍から、25年には139立方㍍にまで減少。今後さらに減少することが予測されている。地下水の過剰利用、非効率的な灌漑(かんがい)、水質汚染の問題も深刻だ。

急激な気温上昇と水不足はすでに、多くの人々の生活の質に影響を与えている。

これらの問題に立ち向かうには、科学に基づいた長期的な視野と、あらゆる分野の連携による対応が必要だ。(O)

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