トップコラム「山のゴースト」全国調査 ネパールから

「山のゴースト」全国調査 ネパールから

険しい山岳地帯や高山に生息し、目撃が難しいことから「山のゴースト」の異名を持つユキヒョウの個体数推定のための全国調査がネパールで初めて実施され、推定生息数は397頭とする結果が先月、野生生物保護局から発表された。

これまで国際自然保護連合(IUCN)は、ネパールでのユキヒョウの生息数を301~400頭と推定していたので、この推定値のほぼ上限に近い生息数であるということが分かった。

ユキヒョウは、気候変動や生息地の消失、密猟により、アジア全域で個体数が減少しており、IUCNのレッドリストで、絶滅のリスクが高い「危急種(VU)」に指定されている。

IUCNによると、ネパールの国土自体は、世界の陸地の0・1%程度しかないものの、哺乳類全種の約5%、植物種の約3%、鳥類種の約10%を支えている。ネパール国土の約4分の1は国立公園など自然保護地域に指定されており、野生動植物の保護に熱心なことがうかがえる。

そんなネパールの自然や文化に触れられる機会が、大阪・関西万博のネパール館だったが、パビリオンは未完成で、開館のめども今のところ立っていない。日本人にとって日頃なじみのないネパールついて知ってもらう絶好のチャンスであることを考えれば、残念としか言いようがない。

ネパールを愛するものとしては1日も早い開館を願うばかりだが、このままでは、ネパール館は日の目を見ないまま「万博のゴースト」になってしまう。(T)

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