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米国人初のローマ教皇が選出された。レオ14世と名乗る。「レオ」の教皇名というと、西暦800年のレオ3世によるフランク王国カール大帝への戴冠で有名だ。
いわゆる「カールの戴冠」により彼は神聖ローマ帝国の初代皇帝となる。キリスト教の理想を世俗の最大の権力者として委託された形で、その後の西欧世界に安定をもたらすことになった。
小紙の小川敏ウィーン特派員によると、新教皇は積極的に社会活動を行ったレオ13世の後継者として名乗ったとのこと。その言葉通り、23年余り南米ペルーの宣教師として歩み、貧困に悩む南米に寄り添ってきた。
冒頭のレオ3世は貧困階級から教皇に上り詰め、それに反発する勢力によって一時は暗殺未遂の憂き目にもあった(それを助けたのが戴冠前のカール大帝でもあった)。古今東西、この種の嫉妬は変わらないようだ。
新教皇は移民問題などでトランプ米政権に批判的という。だが一方で「西欧の現代文化が『福音と矛盾する信念を育んでいる』として、LGBTなど性的少数者の権利に慎重な発言をしたほか、ジェンダー教育推進にも反対したとされる」(時事)など保守的な側面もある。
教皇選挙(コンクラーベ)前に、プロテスタントのトランプ大統領がローマ教皇に扮した生成画像が出回った。ジョークだが「聖と俗」の合体の願望と見えなくもない。新教皇が強調する「平和」を政治(国家)が真剣に受け止め取り組んでほしい。