トップコラム夜間パソコン禁止に生徒反発 フィンランドから

夜間パソコン禁止に生徒反発 フィンランドから

フィンランド自治体の多くは、小・中学校の授業で使用するために、授業に必要なアプリがインストールされたノートパソコンを生徒に支給している。生徒たちは学校だけではなく、自宅にもノートパソコンを持ち帰って学習や宿題に使用することができるが、一部の自治体では、午後10時から午前6時までの使用を制限するために自動的にノートパソコンにロックをかけ、その時間帯の使用をできなくした。

これは、生徒が支給したノートパソコンで夜間にゲームをするなどして、健康的な睡眠習慣を妨げているのではないかという懸念からだ。これらの自治体の主張によれば、「学校の勉強は日中に行うべきであり、夜間は休息に充てるべきだ」という考えだ。

これに対し、生徒の多くはこのロックアウトに反発し不満を抱いている。ある学校では、生徒たちが夜間のロックアウトに抗議するため、署名を集め市長に嘆願書を提出した。今後は、市議会で要望を巡る議論がなされる。

一方、「自宅での生徒のノートパソコンの使用状況を監視するのは親の責任だ」として、夜間のロックアウトを実施していない自治体もある。義務教育はそれぞれの自治体の責任管轄となっている。

教育水準が高いと評判のフィンランドだが、スマホやコンピューターを使う時間が増え、読書力を含めた教育水準が低下しつつある現状が危惧されている。

夜間のパソコン使用禁止が学力の向上につながるかどうか、難しい課題だ。(Y)

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