
東京都八王子市にある高尾山の山中に森林再生活動が行われているエリアがある。JR高尾駅から小仏行きのバスに乗り、終点で下車。そこから15分ほど登った所だ。
植樹は2017年から23年まで行われたが、その後も森づくりのために草刈りや補植を続けている。今月、ここで「高尾小仏育樹祭2025春」が開催された。主催はNPO法人国際ふるさとの森づくり協会だ。
中日本高速道路株式会社との共催。この場所が小仏トンネルの工事で出された残土の盛り土場だったからだ。植樹前はクズやニセアカシアの茂る荒廃地だったが、今では森がすくすく育ちつつある。
午前中降った雨はやんだが、濃い霧が立ち込めていた。開会式で同協会の高橋秀行理事長があいさつ。「苗木は過酷な環境にありますが、順調に育っています。雑草が苗木を覆わないように刈り取ってください」。
場所は22年と23年に植樹したエリア。丸太で土留めした階段を草が覆っていて、そこから刈っていく。イタドリのジャングルだ。苗木は人の背丈以上に伸びている。世界的に知られた故宮脇昭さんの「混植・密植」方式によるものだ。
60本の苗木を補植して終了。その後、国際生態学センターの主幹研究員・目黒伸一さんが、森を巡りつつ話をしてくれた。苗木が育たなかった所があった。土が柔らかく耕されなかったためだ。「苗木で最も大切なのは根の細い部分。赤ん坊のように保護する必要があります」と。