トップコラム強盗に遭遇して思うこと ブラジルから

強盗に遭遇して思うこと ブラジルから

街頭犯罪の増加など「体感治安」が低下しつつあると言われる日本。それでもブラジル、特に大都市の治安に比べると安全だと思うことは多い。

先日の早朝、撮影機材が入ったバックパックを背負って地下鉄駅までを歩いていた時のこと。突然、黒い服装の男性が現れ、筆者のすぐ前を歩いていた男性の肩掛けカバンを強奪して走り去った。ひったくりだ。

カバンを取られた男性は、驚きと恐怖の入り混じった声で「泥棒だ」と叫ぶが、早朝のこともあり人通りは少ない。筆者もあまりの急な展開に驚きのほうが大きく、連絡後に現れた警察官に事の次第を説明するのが精いっぱいだった。

サンパウロなどの大都市では、スマホ強盗も多く、街中で犯罪に出会うこともないわけではない。それでも、至近距離で発生した強盗事件にさすがに身震いがした。カバンの中に入っていたのは虎の子の撮影機材、盗難保険などには代えられない貴重な時間やデータを失うところだった。スマートフォンの盗難では、中に入っている銀行やカード情報が悪用されることが少なくない。泥棒にとって、スマホの中は「お宝」が詰まっているようなものだ。

筆者は、スマホには必ず指紋認証をかけ、クレジットカードの取り扱いにも注意を払っている。それでも、犯罪のプロにかかれば、身に覚えのない犯罪に巻き込まれる怖さもブラジルで経験した。文明の利器は、社会生活を便利なものに変えてくれるが、失うものも決して小さくないことを忘れてはいけないと思っている。(S)

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