トップコラム高速滑空弾の開発急げ【上昇気流】

高速滑空弾の開発急げ【上昇気流】

防衛装備庁が実施した「島しょ防衛用高速滑空弾」の発射試験=米カリフォルニア州(同庁提供)

北朝鮮から複数の弾道ミサイルが発射され、いずれも日本のEEZ(排他的経済水域)の外側に落下したとみられる。北朝鮮は躍起になってミサイルの長射程化を進め、それを国力の基準として誇り威嚇している。

一方、台湾周辺では中国の軍事的示威行動が続いている。日本の領海外側の接続水域で中国海警船が確認される日数は年々増加しており、台湾侵攻があれば、わが国の尖閣諸島を含む南西諸島も影響を受けることは必至だ。

日本には大小1万4000以上の島々がある。その島一つ一つが日本の領土であり、島の周りは日本の領海だ。しかし、いつの間にやら日本近海は外国がミサイルを飛ばし、不穏な航行を行う場になってしまっている。

これに対し日本では防衛装備庁が、敵部隊の射程外から攻撃する「スタンド・オフ防衛能力」の一環として開発中の「島嶼(とうしょ)防衛用高速滑空弾」の発射試験に成功した。その雄姿が頼もしい(小紙2月8日付)。

2025年度に最終の性能確認試験を行い、26年度中の配備を目指している。高速滑空弾は、離島などに上陸した敵部隊を長射程で狙う地上発射型のミサイル。高速で飛翔(ひしょう)し、迎撃が困難とされる。

続いて30年代からは射程3000㌔で極超音速飛行が可能なミサイルの配備を開始する予定だ。両方とも他国のミサイル発射拠点などを攻撃できる反撃能力(敵基地攻撃能力)となり得る。ただ、配備までの間も安全保障環境は楽観できない。

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