
熱帯や亜熱帯地方の爬虫類は、冬眠しない。
「ホット、ホッター、ホッティスト」の三季しかない東南アジアの多くで爬虫類は、寒くなるようなことがあっても活動が鈍るだけだ。
また爬虫類も極暑期の暑さは苦手で、木陰や風の吹く木の上で涼んでいたりする。
4月下旬、ベトナム中部タンビンの民家で、寝室のエアコンがヘビの巣窟になっていたことがニュースで流れた。
タンビンは3月以降の3カ月間、極暑期に入る。さすがにヘビもガンガン照り付ける太陽を避け、エアコンが効いた穴場で涼みたいと思ったのかもしれない。
発見した夫人は、昼寝しようとつけたエアコンと壁の間から尻尾のようなものが動いているのを見て当初、ネズミだろうと思ったという。
だが、業者を呼びエアコンの蓋(ふた)を外して、その正体が7匹のヘビだったのを知り眠気は一気に吹き飛ぶことになった。
ただこのヘビに毒はなく、普通のミズヘビで無害とされる。この民家は裏に木が密生しており、エアコンの排水管から「涼」を求めたヘビが侵入したらしい。
今回は毒ヘビではなかったことが幸いしたが、これが猛毒を持つコブラやグリーンスネイクであったならと思うと、極暑の時期に背筋が凍り付くことになりかねなかった。(T)