
いろいろと批判の多かった大阪・関西万国が先月13日に開幕し、最近は1日平均10万人前後(関係者を含む)が入場しているという。だが、目標の2820万人達成のためにはさらなる盛り上がりが必要だ。
1970年開催の大阪万博は3月15日からの約6カ月間に当初の目標(3000万人)の2倍以上となる約6422万人が来場するなど、大盛況だった。当時の日本の総人口は1億372万人なので、国中に大変なインパクトを与えたことが分かる。
かくいう筆者も夏休みに1日だけ訪ねたが、「月の石」を見ようと大変な人波が押し寄せたアメリカ館やそれに対抗するソ連館を始めとする“行列必至”の有名館はスルーして、アフリカや中南米、欧州、アジアなどの諸国の展示が見られる国際共同館をひたすら回った。
テーマの中の「人類の進歩」は体験できなかったが、それでも、故郷では珍しい外国人や外国の物産に触れ、パンフレットなどをかき集め、世界の多様さ(もう一つのテーマ「調和」につながる?)を肌で感じることができた。
今回の万博でもそうだが、各国の展示館はメインテーマに対するその国の英知を集めた提案だ。それを見て回ることができる機会はめったにない。是非、それを生かしたいものだ。
今回の万博で最も腑(ふ)に落ちないのは、コブクロの歌うオフィシャルテーマソング「この地球(ほし)の続きを」をほとんど耳にしないことだ。70年大阪万博は遥(はる)か彼方の記憶になったが、今もはっきり覚えているのは、「こんにちは、こんにちは~」という呼び掛けが印象的なテーマソング「世界の国からこんにちは」と「咲いたひらいた、輪になった~」と続く万国博こどもの歌「咲いたひらいた」だ。
「歌は世につれ世は歌につれ」と言われるが、万博のメッセージを込めたテーマソングをもっと有効活用できるのではないか。
(武)