トップコラム「領土」啓発は学校から【上昇気流】

「領土」啓発は学校から【上昇気流】

領土・主権展示館のエントランス(2023年)(Wikipediaより)

東京・霞が関にある「領土・主権展示館」に足を運んでみた。北方領土や沖縄県・尖閣諸島などについて日本の立場を内外に発信するもので、若者層の関心を取り込もうとこの4月にリニューアルオープンした。

東京メトロ銀座線虎ノ門駅から歩いて1分とアクセスはいい。領土と主権というテーマだけに警備員も配置し不測の事態にも対応している。展示館の事業は内閣官房領土・主権対策企画調整室が主体だが、外務省はじめ防衛省、海上保安庁など関係省庁が一体となって取り組む。

これまで年間来館者は1万人というから平均して1日30人ほどだ。リニューアル後は最新の映像技術を駆使した「体験型」への刷新もあり、国民の関心の高まりを期待したい。

わが国の国土面積は世界61位だが、排他的経済水域と領海を合わせた面積は世界で6位とトップクラスだ。ついでに海の体積では4位に達する。そこに内包される資源は大きな財産でもある。

近年は特にロシアのウクライナ侵攻、中国の海洋覇権の動きを契機に国民の領土・主権に対する自覚と覚悟が迫られている。現代戦は「ハイブリッド戦」とも言われ、公然・非公然の軍事、非軍事を問わず、あらゆる手段を使った戦争や主権侵害が横行している。

領土に限らず、こうした現実に対する小さい時からの啓発が不可欠だ。文部科学省も展示館の見学を修学旅行や課外授業の一環として、もっと積極的に学校現場に働き掛けていくべきだ。

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