フィリピンのマルコス大統領は、外国人にリモートワークを許可する「デジタルノマド」ビザ(査証)を新たに導入し、リモートワークを行う外国人を積極的に受け入れ、観光業を活性化させる方針を打ち出した。
このビザは最大1年間の滞在を可能にし、オフシーズンでも安定した観光客が見込まれ、特にボラカイ島やセブ島などの人気リゾート地で恩恵があると期待されている。
ただし、フィリピンは過去に中国人向けのオンライン賭博事業「フィリピン・オフショア・ゲーミング・オペレーター(POGO)」を認可した影響で、不法就労の中国人が大量に流入。治安悪化や賃貸物件の高騰を招いた苦い経験がある。
そのため、政府はノマドビザの運用に関して、申請者の管理を強化して、不正行為や違法活動を防ぐための措置を講じるとしている。
注目を集めるノマドビザだが、今回のビザには「相互主義」の原則が適用され、フィリピン人にノマドビザを提供していない国は対象外となっている。
そのため今のところ、日本人はフィリピンのノマドビザを申請できない可能性が高い。
しかし、フィリピンは日本から比較的近く英語留学先やリゾート地として人気が高く、ノマドビザの需要も見込まれる。今後、何らかの特例措置が設けられることを期待したい。
(F)