と会談した赤沢亮正経済再生担当相(内閣官房のSNSより).jpg)
春と言いながら寒い日が多かったが、このところ夏日も続き、ようやく落ち着きを取り戻した感がある。これに慣れて体調を整えないと大変だ。今度は早めの熱中症に警戒との予報も出る。
一方で国際情勢の天気図は、今やトランプ旋風で厳しい寒風にさらされている。ウクライナ戦争や中東ガザ紛争などに加え、世界各国が等しく「関税」風の下、当事者として身を固めている体(てい)だ。
欧州各国や日本はじめ同盟国、友好国でも容赦はない。赤沢亮正経済再生担当相の訪米では、各国交渉のトップだっただけに直前にトランプ大統領自ら参加する熱の入れようだった。
ここで安倍晋三元首相だったらどう出るだろうかとの思いがよぎってしまう。「猛獣使い」との異名を取った安倍氏のトランプ対応術に、当時も悩まされた欧州首脳が着目したものだ。
日本の非関税障壁などを挙げてその不公平さを強調するトランプ氏に対し、きちんと間違いを正すのはもちろんだが、交渉テーマの一つ一つに対応するのではなく、米国の不満の根底を突く交渉が望まれる。「木を見て森を見ず」であってはならない。
石破茂首相は「米国の不満は多大な貿易赤字にある」(NHKインタビュー)と述べた。それは確かに大きな「木」であるが、「森」そのものではない。「ディール(取引)」の狙いとはつまり真の意味での「対等」関係の構築にあるのではないか。その「森」を見据えたビジョンが問われる。