
タイの外国人入国者数が減少し続けている。
観光スポーツ省がまとめた3月の外国人入国者数は、前年同月比9%減の272万人だった。タイを訪れる外国人観光客のトップは中国人だが、同48%減と大幅減少を余儀なくされ、30万人にとどまった。
2位はマレーシア人で同15%減の29万人、3位はロシア人で同18%増の24万人、4位はインド人で同17%増の19万人だった。なお日本人は同17%増の11万人を記録した。
中国人が前年同月比で半減したのは、不動産バブルの破裂など中国の景気が悪いこともあるが、最大の理由は年初から一大騒動に発展した国際犯罪の影響だった。
結局、タイ国境に隣接したミャンマーのミャワディ地域で拘束された中国人は3000人近くに上った。彼らは「オンライン詐欺の加害者」であると同時に「拉致被害者」でもあった。詐欺集団はタイを人身売買ルートとして利用していた。
中国人の多くに「タイは危ない国」とのイメージが付きまとうことになり、観光客激減をもたらすと同時に3月の地震によるビル崩壊事故がこれに拍車を掛けた模様だ。
一方、顕著に増えたのはロシア人。昔からユーラシア大陸の北に位置するロシア人は、南国タイにバカンス旅行をする人々が多く、まだ肌寒い3月のロシアから気持ちのいい乾期最後の月にタイを訪れた。ロシア人はバンコクなど都市型観光も楽しむが、多くはプーケットやサムイ島などビーチリゾートで滞在型バカンスを楽しむ。(T)